適性判断試験

 適性判断試験とは、砂防ソイルセメント工法の計画時や設計時に、現地土砂のINSEM材母材としての適応性や改良の要否、単位セメント量の概量、単位体積重量を、材料試験結果と、簡便な室内試験で判断する新しい判断手法です。

 INSEM工法は、現地土砂をそのままINSEM母材として活用することが、特徴の一つであり土砂毎にその特性は、大きくバラつきます。これを単位セメント量と強度の関係に表すと、左グラフのように、セメントを増加させたときの強度の増加率は土砂毎に大きく異なり、セメントを増やしても強度が殆ど増加しない土砂もあります。

 つまり、INSEM母材として適応性が低い土砂とは、セメントの増加により強度増加が顕著な土砂であると考えられます。

 また、強度発現が顕著となる単位セメント量が土砂毎に異なり、単位セメント量100kgで強度が1N/mm2に満たない土砂でも単位セメント量150kgで4N/mm2、200kgで6N/mm2を超える強度となる土砂も少なくまりません。

 当社では、これらの試験結果をふまえ、現地土砂のINSEM母材としての適応性をS字曲線として表すことにより、より詳細な適応性特性を表しています。


 INSEM工法の配合試験はINSEM材の強度とその強度を発現するための「単位セメント量」、「設計含水比」を確認するものですが、INSEM材の強度は、次図の「配合試験結果例」のとおり、同じ単位セメント量であっても、含水比によって強度発現が大きく異なるため、試験のパラメータは単位セメント量と設計含水比の2種類となり、一般的に配合試験の配合数は9ケース以上が必要となります。

 さらに配合試験の結果、強度発現が目標値を満たさなかった場合、固化材や改良材の検討を追加して行うことも想定され、養生に要する時間と費用は増加の一途をたどる事となります。

 また設計時に採取する土砂は、工事で発生する土砂を想定したサンプリング土砂である事から、本施工時に発生した土砂とのバラツキが予想され、単位セメント量や単位体積重量の設定に際しては安全側とならざるを得ないと思われます。

 これらの状況をふまえれば、設計時に必要な現地土砂のINSEM材への適応性に関する情報は

・ INSEM工法に現地土砂の適用が可能か。(現場での強度コントロールができ、安定した品質確保が可能な土砂か)

・ 現地土砂100%で適用が困難な場合、改良等によって活用が可能か

・ 目標品質を充足する単位セメント量の概量はどのくらいか、また改良の割合はどの程度か

・ 構造安定計算に採用する単位体積重量はどの程度が妥当か

となります。

 INSEM材適性判断試験は設計時に要求される、INSEM工法への適応性判断と単位セメント量、単位体積重量を推定する事を目的として、SBウォール工法研究会がこれまで実施してきた膨大な量の配合試験データを様々なパラメータで分析し、INSEM材の適応性が高い土砂の定義を、「セメント量の増加に伴う強度増加率が高い土砂」とし、このセメントによる固化効率を簡便な試験とこれまでの配合試験データによる統計解析により推定するものです 。




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